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 その店は、どこにあるとも知れない。
 どうやら客を選ぶらしく、辿りつける者と、どうしてもつく事の出来ない者がいた。
 その店‥‥アンティークショップ・レンに有るのは、普通のアンティークではない。その全てが、曰く付きの代物‥‥魔法の物品や呪われた品物なのである。
 店主の碧摩・蓮(へきま・れん)が、どこからそういった物を仕入れてくるのかは、誰も知らない。しかし、商品は時に新しく仕入れられ、時に誰かが買っていく。
 古い品物に埋もれた店内‥‥時を経た古物の持つ、一種独特の重苦しい雰囲気に満たされた中、蓮は店のカウンターに座り、古びたランプの明かりに透かしながら一枚のカードを見ていた。おそらくは趣味なのだろう。
 カードの見分を終えた蓮は、カウンターの下から取り出した重たげな分厚いファイルにしまい込む。
 と、その時、店の入り口のドアが開き、ドアにつけられた鈴が涼やかに鳴った。
 ファイルを元の場所に戻してから顔を上げ、蓮はそこに初めて見る来訪者の顔を見る。
 蓮は、客相手に丁寧になるではなく、いつも通りの勝ち気な様子で口を開いた。
「ああ‥‥よく来たね。買い物かい? いや、その顔じゃ、買い物って線はないか‥‥ま、しょうがないさ。うちの商品はちょいと訳ありだからね」
 物が物だけに、ここの品物を買い求める者は多くない。よほどの好事家か、訳ありの客か‥‥品物に呼ばれでもしない限りは買わないのではないだろうか。
「じゃあ、誰かに話を聞いて、仕事をしに来た‥‥って事で良いのかい? なら、ちょうど良いところに来てくれたよ。少し、溜まっちまっててさ」
 蓮は言いながら店の奥に引っ込むと、ややあって幾つかの品を抱えながら戻ってきた。
 その品物をカウンターの上に並べながら、蓮は来訪者に笑みを向けて言う。
「ここに来る品には因縁を抱えた物も多い。そういう奴は、時に持ち主を不幸にしたり‥‥殺したりもする。因縁をほどいてやる必要があるのさ」
 アンティークショップ・レン‥‥そこに集まる品物。その品物の持つ因縁、品物のもたらす縁‥‥それにまつわる事件の解決を、蓮は来訪者に頼む。
 曰くある品物と、それにまつわる事件の集う場所‥‥それが、アンティークショップ・レンなのであった。

[看板イラスト:嘉神ヒロタカ]
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