【タイトル】 星空を見つめて…
【執筆ライター】 市川 智彦
【参加予定人数】 1人〜7人
オープニング /ライターより /共通ノベル /個別ノベル


●「海キャンプ」 オープニング

 普段は神聖都学園で勉強して部活動がんばって……オトナは口を揃えて『高校生の時はよかったな〜』とか言うけど、実際にやってる方はそうじゃなかったりする。勉強でも進学とか夢とか、部活でもインターハイとか全国大会を目標にしたりするとそれしか考えられなくなるし、いくら若くたって余裕なんかなくなっちゃうわけ。それが高校生ってもん。そりゃ世間に揉まれてるオトナが抱えてる苦しみとか悲しみとか、そんなんよりかは小さいかもしれない。けど、俺たちにはその大きさで十分。それだけでも一日中悩んだりすることだってあるんだからさ。

 小さい頃、合宿とかの学校のイベントではすごく素直になれた気がする。今よりももっと子どもだった時、あの暗闇の中で友達と呼べるみんなにいろんなこと相談しなかった? 学校の先生の悪口とか家のこととか……好きな人のこととか。自分から相談はしなくても、相手の相談を聞いた記憶はない?
 今度の海キャンプの夜も、みんなきっとそんなことを思い出して相談し合うのかな。きっと星が煌く夜はみんな素直になれると思う。テントの中でも外でもいいから、なんとなくオトナになる前にちょっとスッキリしてみない? 知らない人との出会いとか、知ってる人の意外な一面が見えたりして面白いかもね。こんなにきれいな夜空だからさ、ほんのちょっと素直になろうよ。ね?




●ライターより

 皆さんこんにちわ、市川 智彦です。
 幻影学園奇譚ダブルノベル、海キャンプということでこういうネタにしてみました。こういう学校のイベントで真っ先に思い出したのがこれだったので、素直にそれを形にしてみました。こういう思い出、皆さんにはありませんか?

 今回はお友達との交流やNPCとの会話などに重点を置いたオープニングになっています。お友達同士で参加してプレイングをまとめて下さいましたら、それに沿った形で書かせて頂きます。もちろんおひとりで参加されても、誰かと出会えるようにしますのでご安心を(笑)。皆さんのプレイングの内容を読んで、個別で反映するか全体で活かすかなどを考えさせていただきます。どの場合においても、全体・個別ノベルで他のキャラクターさんと絡む可能性がありますのでその辺はご了承下さい。
 なお登場可能なNPCに関しては、幻影学園奇譚特設ページにあります「神聖都学園の有名人」をご参照下さい。この中に登場するNPCなら描写可能です。

 幻影学園奇譚に参加されているキャラクターの意外な一面を少しでも引き出せたらと思い、今回のオープニングを作りました。素敵なロマンスやモノローグを楽しみたいキャラクターさんの参加をお待ちしています!



●【共通ノベル】

 「あちゃ〜、しまったなー。これじゃ帰れないじゃないか!」

 寄せては返す波の音に混ざって困った声を響かせるのは3年生の龍堂 玲於奈。神聖都学園の夏キャンプに参加している生徒のひとりだ。彼女は今、恐ろしい高さと広さを誇る洞窟の中にいた。ここを偶然見つけたあの時からずいぶんと時間が経っている。彼女がここにやってきたのは、まだ太陽が頭上で煌いていた時のことだった。


 玲於奈は大学受験のために日々勉強にいそしんでいる。今は夏休み、最後の追い込みをかける時期だ。夏休みはほとんど図書館に通い詰めだった彼女にとって、この夏キャンプは自分で決めたひとつの節目だった。とにかくこの時だけは遊ぼうといつも以上にはしゃぎ、友達を捕まえてはいろんなことを楽しんだ。この日のために用意したゼブラ柄のツイストブラにハイレグのビキニパンツで砂浜を駆け抜ける彼女。みんなでスイカ割りをした時は、玲於奈があり余る力を発揮して粉々にしてしまい周囲の爆笑を誘った。砂遊びでは自分の力を制御している鉄枷についている鉄球と格闘している所を見られてまたも爆笑の的にされた。勉強の毎日で忘れかけてた当たり前のことを少しずつ思い出した彼女もまた、みんなの笑いにつられていい笑顔を見せるのだった。

 今日は徹底的に泳ごうと思い、友達を遠泳に誘った。そして穏やかな海に出ていったのだが……いつの間にかはぐれてしまっていた。玲於奈の運動神経がよすぎたのか、はたまたみんなが遊び疲れていたせいかはわからない。彼女もみんなに負けず劣らず全力で遊んでいたので少し疲れが出てきた。そろそろ戻ろうかと考えているところにあるものが目に飛びこむ。ビーチに向かって左手に岩場があるのだが、おそらくは海からしか見ることのできない洞窟の入口があった。周囲を見たところ、誰もそこに向かって泳いでいる生徒はいない。玲於奈は探検ついでにそこへ行こうと、また泳ぎ出した。
 彼女の洞窟に対するイメージは暗くてじめじめとした居心地の悪いところというものだった。行ってもどうせ楽しくも何ともないだろうけど、話のネタになったらいいかと軽いノリで近づいていく。しかしそこはいい意味で玲於奈の予想を裏切るような美しい場所だった。岩の切れ目から差しこむ太陽の光が足元の砂を輝かせ、洞窟全体をキラキラさせる幻想的な世界がそこにあった。

 「なんかの映画で見たような……そんな景色だな。」

 奥にも何かあるようだったが、今はこの風景を楽しみたい。玲於奈は秘密の場所で大の字になった。背の高い洞窟が織り成す光と闇の芸術、そしてそれを盛り上げる静寂。彼女はだんだんとその舞台に魅了されていき、静かにまぶたを閉じたのだった……


 そのまま眠りこけてしまった彼女はとっぷりと日が暮れた頃に目を覚ます。彼女は自分の頬に少し冷たくなった風を感じた。大きな伸びとあくびをしながら入口を見ると、なんと完全に水没してしまっているではないか。どうやら満潮の時間と重なったようで、ここから出られなくなったらしい。身体に疲労は残っていないが、夜の海を泳ぐことほど恐ろしいことはない。ここで無茶をしてもどうしようもないと腹を括ったのか、玲於奈はそこにどっかりと座りこんでしまった。

 「朝になったら帰れるし、特に問題ないだろう。ま〜、先生にはひたすら謝る方向で……」

 なんとものんきなセリフが洞窟に響く。玲於奈が能天気なのは、実はこの場所のせいかもしれない。ここは昼間と同じように月の光が差しこんでくる。それを浴びた砂が淡く光って周囲を照らすのだ。その神秘の色が彼女の心を安心させたのだろうか……
 彼女がまた寝ようとしたその時、肝心なことを思い出す。この洞窟の先に何かあったはずだ。昼間はそれほど気に留めなかったが、やることのなくなった今は別である。玲於奈はさっと身を起こしてその場所まで歩く。その道のりは光る砂が教えてくれた。奥には岩の裂け目があり、ちょうど人間がひとり通れるくらいのスペースはある。もしかしたらキャンプ地まで戻れるかもしれない。レオンはそーっとそこを通ろうと決心した。

 「どうせ朝まで帰れないんだし、ちょっと探検ついでにっと。でも奥は暗いな〜。月明かりもないのかな……」

 ゆっくりとその身を通そうと横になって通ろうとした瞬間、妙な感触が腕に伝わった……むにっという、人間の肌と触れ合うようなあの感じが玲於奈の背筋を凍らせる! 予想外に突然の出来事が加わって、玲於奈はすっかりパニックになってしまった。

 「うわぁーーーーーっ、で、で、で、出たぁぁぁ!!」
 「な、何が、何が何が?! うわぁぁぁーーーーーっ!!」
 「なんだよあんたっ、早くそっち行けよ! もたもたするなって!」
 「あなたこそ下がればいいじゃないですか!」
 「なにおぅ! レディーに向かってそんなこと……………って、あれ?」

 彼女は日本語を話す謎の物体のことを冷静に分析し、結論を出した。どうやらあっちも自分と同じ人間らしい。


 人なんて来るはずないと思いこんでいたせいで大騒ぎを演じてしまった玲於奈は、目の前の男に必死に謝った。彼は室田 充と自己紹介し、彼女と同じ神聖都学園の2年生であることを明かした。ショートパンツにタンクトップ姿だったが、なぜか服はしっとりしている……玲於奈は沖から見えない場所に別の入口があるのかと尋ねた。

 「いえ、俺は陸伝いに歩いてきたんです。夜になってなんか無性に海に飛び込みたくなって、ちょっと遊んだ後に散歩してたらここに……」
 「な〜んだ、陸からも来れるのか。ぼくちょっとがっかりかな〜。」
 「も、もしかして海から泳いできたんですか、まさかここまで?」
 「だーかーらー、がっかりしてるんだって。友達にも自慢しようと思ってたのに。」

 彼女がガッカリするのを見て、充は悪いと思いながらも小声で笑う。一方の玲於奈は相当ショックだったようで、砂の上に「の」の字を描きながら片側の口を上げてすねていた。

 「まぁまぁ、でもそろそろテントに帰らないとやばいですよ。先生の点呼があるでしょうし……」
 「あ、そういえばご飯食べてないんだった。帰って食べれるかな〜。さ、きみの道案内でか〜えろっと。」
 「ええっ、せっかくいいところ見つけたのに……まぁいいか。明日また来よう。」

 充の案内で外に出ようする玲於奈は空腹を理由に彼をせっついた。仕方ないとばかりに重い腰を上げた充は来た道を戻る。とりあえずは点呼までに帰ろうということにはなっていたが、充はそんなことどうでもよかった。玲於奈に至っては食事さえもらえればそれでいい。お互い口にはしなかったが、おかしな形でふたりの意見はすでに一致していた。


 しばらく歩くと頭上にある岩の隙間がだんだんと大きくなり、そこからさっきよりも明るい月明かりが入ってくる。充はさっきまでこの近くにあった岩に座って考え事をしていたという。彼が指差す先には満天の星空があった。玲於奈はさまざまな光を放つ星たちをじっと見つめながら、出口に向かって歩く。砂といい星といい、ここはあらゆる意味で別世界だった。
 素直に充の後ろをついて歩く玲於奈だったが、静かに歩いていたかと思うと急に口を開く。それも上を見たまま。

 「ああ、そういえば考え事してたんだっけ。何、考えたの?」

 不意打ちを食らって驚く充。ここは適当にごまかそうと思ったが、玲於奈は自分を茶化すためにそんなことを聞いているのではないという妙な確信があった。充は少しうつむきながら歩いた。

 「人間同士の好き嫌いについてです。俺、こう見えても特殊なんで……ははっ。」
 「いろいろあるんだな、きみも。ぼくは今日も勉強、明日も勉強でよくわかんないよ。何のために勉強するんだろうって感じかな。み〜んなそう思ってるんだろうけどさ。そんなに勉強しないと大人になっちゃいけないのかな?」
 「それ言ったら、俺の方が大人なんかにならない方がいいかもしれないですよ……」
 「ん、どうかした?」

 熱っぽくなった充は玲於奈の言葉で我に返った。そして自虐的な笑いを顔に浮かべるといったん深呼吸して先輩に謝る。

 「すみません、ちょっと興奮して。」
 「別にいいけど、なんか辛そうだな。」
 「そんなことないですよ。もうなんとなく俺の心は決まってますから。」
 「うん、だったらいいんじゃない? ぼくも先のことを考えて勉強してるからさ。訳もわからず走ってると辛いけど、自分で『これだ!』って決めてればそんなに辛くなくなるから、絶対。」

 玲於奈の言葉が充の心に響いた。実は彼、『自分の感情が欠落しているのではないか』と思い悩んでいた。周囲は毎日のように彼氏が欲しいだの彼女が欲しいだの言っている。キャンプが近づくに連れ、そんな内容の話が方々で飛び交った。充も何人かの友達からの相談を受けていた。その中には同じラグビー部の後輩もいる。彼はいつでも親身になって話を聞き、懸命に励ました。
 そんな聞き上手の彼だが、本人は異性に対する感情がまったくない。人が付き合っているのを微笑ましく見るが、そこで『よし自分も!』という風にはなれなかった。むしろキャンプ前の相談を聞いている方が断然楽しい。もっと楽しいのは男同士で他愛のない話で盛り上がることだ。充はいつしかその楽しさに捕われるようになり、徐々に異性への感情が薄れていくのを感じていた。それをはっきりと断定して言えないのは、本人にその自覚があまりないからだろう。だが自然に異性よりも同性を見る目の方が変わっていったのは確かだ。
 しかしキャンプに来てみると、充は周囲の動きにギャップを感じていた。やはり自分は違うのか……自分には何かが足らないのか。知らず知らずのうちに自分を下げて見てしまい、深く悩みこんでしまっていたのだ。それに拍車をかけたのがある事件だった。充は今日の昼、ある女の子から誘いを受けた。それは充に好意を寄せる娘で、彼もその感情を察していた。緊張してぎこちなく話す彼女の口から、『夜に抜け出してふたりきりで会えませんか?』という言葉が出てきた。そして今はまさにその時間だが、充はその娘とはまったく関係のない玲於奈とここにいる。そう、彼はその場で女の子に断りを入れたのだ。そういう言葉が返ってくる可能性があると予想はしていても、人間はやはり面を向かって言われると戸惑うもの。落胆の色を浮かべる彼女を目の前にして、彼は心の中で小さくつぶやいた。

 『ゴメン……どうしても君をそういう対象として見れないんだ。』

 その言葉が心に楔を打ち、さらに自分を貶める結果になってしまった。本当ならあの娘と一緒にいる時間、こっそりテントを抜け出して海に飛び込んで大はしゃぎしたのにもそういう理由があったのだ。
 そんな彼に救いの手を差し伸べたのは、さっきの玲於奈の何気ない言葉だった。自分にウソをつかないことさえしなければ辛くはない……その言葉が充の身体に染みる。悩みのベクトルは違えども、それはふたりに共通して言えることだった。充も玲於奈のようにしばらく上を見ながら歩いてみた。

 「そうだよな。何をしたいかは、決まってるんだからな。」

 自然と口から出てきたその言葉が充の背中を押す。広く明るい星空が彼のちっぽけな悩みを包み込んでくれているかのように見えた。


 月明かりの廊下を越えると、そこはキャンプ地の近くにある岩場だった。ちょうど洞窟を取り囲んでいた岩が地面になったような感じである。裸足の玲於奈はほっとため息をついた。

 「よかった〜、着いた先が森だったらどうしようかと思ってた。」
 「あれ、言いませんでした? それはすみません。」

 すっかりその辺の気遣いを忘れていた充に腹を立てる玲於奈。さっきから何かあると「レディー」という言葉で彼を攻める。もちろん冷やかしだ。そんなコントのようなことをしていると、目の前に女の子がやってきた。玲於奈はそれが友達だと面倒になるので、すかさず充の後ろに隠れた。しかし鉄枷の鉄球が丸見えなのですぐにバレるのは時間の問題だ。逆に充はさっき振った女の子が追いかけてきたのかと思い、思わず身構えてしまっていた。だが、その娘は親しげに声をかけてきた。

 「充ちゃん……!」
 「深雪か。また会ったな。」
 「あれあれ、知り合いなの? 少なくとも、ぼくの知り合いじゃないけどさ。」
 「でしょうね。僕の幼なじみで2年の寒河江 深雪っていいます。ラクロス部のエースアタッカーで、学園でもちょっとは有名なんですけど知りません?」
 「今は勉強で精一杯だから……」

 両手を顔の前で合わせてふたりに「ゴメン」という玲於奈を見て、深雪は少し笑った。お互いがお互いに遠慮している雰囲気を感じ取ったからだ。彼女はふたりと遭遇した瞬間、逢引きをしているのかと思ってふたりのように焦った。だが、この様子を見て安心した。少なくともそういう関係ではない……深雪はなぜかそう確信できた。幼なじみという関係だと、こういうこともわかるものなのだろうか。

 深雪も幼なじみと同じく、ある悩みを持っていた。充と同じく、テントの中でじっとしてられなくなってここまで散歩に来たのだ。普通、夜に女の子ひとりで出歩くのは危険だが、一歩外に出れば『散歩』と称したデートをする生徒だらけで逆に安全だったりする。教師も若き日を思い出してか、そういうことの取り締まりはまったくしないので就寝時間などあってないようなものだった。賑やかな夜のキャンプ地を通り過ぎ、水色のキャミソールに白のサブリナパンツ、そして白いパーカ姿の彼女は今までひとりであてもなく歩いていた。
 彼女は初恋をまだしていない。そのことが自分に重くのしかかっていた。まるで学園中が恋愛してるような雰囲気の中でも、ひとりでその風景を見て微笑んでる自分がおかしく見えた。深雪は父を早く亡くし、女だけの環境で生きてきたせいか、男子のことがよくわからない。自分で彼らのことを苦手とか嫌いとか思っていないので男性恐怖症ではないという自覚があるが、それでも恋心を抱いたことはまだない。最近になって、深雪は『命短し、恋せよ乙女』という言葉を気にするようになった。自分の中でまだ重要な一歩を踏み出していない深雪は、そのことをしっかり気にしているのだ。

 彼女のそんな気も知らないで、充はふたりを連れてキャンプ地へと歩き出した。あんまり大所帯で歩いてるとあらぬ誤解を受ける可能性があるからだろうか、彼の足はやけに早かった。深雪はしばらくは玲於奈と並んで歩いていたが、充との距離が開いたところで話しかけた。

 「あの、玲於奈さんって……」
 「ん、何?」
 「今は勉強だけなんですか? みんなここではいい人を見つけて一緒に遊ぼうって感じなんですけど……」

 玲於奈は彼女の質問の真意がわからなかったが、さっきと同じように自分の尺度で答えた。

 「ぼくは遊びたかっただけだから。いつもの友達と一緒に遊んでたよ。深雪は楽しくないの?」
 「いえ、そんなわけじゃ……」
 「だったら明日一緒に遊ぶ? ぼくも友達も大歓迎……あっ、今日のこと先に謝っとかないとな〜。」


 本当に嬉しそうに話す玲於奈の表情を見て、深雪もつられて微笑んだ。初めて会った子に失態を見せたくないと焦る彼女を見ながら、ふと思った。

 『別に急ぐことなんてないじゃない、私。一生に一度でいいじゃない……心が焦がれるくらいの恋ができたら、ね。』

 「えっ、友達とはぐれて半日も連絡してないんですか! ダメじゃないですか、玲於奈さん!」
 「君さ、友達って言葉に過敏反応してない……? ともかくいいじゃないのさ、ぼくが先に行き過ぎたんだからみんな無事だって! あの頃は溺れた生徒を助けるボートもいたし……」
 「そういう問題じゃないでしょ、帰ったらちゃんと謝りましょうね。」
 「謝るってば。じゃないと人前で情けないことになるし……トホホ。」

 少し明るいキャンプ場が3人の目の前に見えてきた。玲於奈と充の言い合いの間、深雪はキャンプ場の光に負けない明るさを保つ星たちを見つめていた。あの星のように輝く恋をしよう……まだその種のドキドキを感じたことのないその胸にそう誓ったのだった。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / クラス】

0174/寒河江・深雪 /女性/2−B
0076/室田・充   /男性/2−A
0669/龍堂・玲於奈 /女性/3−C

(※登場人物の各種紹介は、受注の順番に掲載させて頂いております。)



●【個別ノベル】

【0174/寒河江・深雪】
【0076/室田・充】
【0669/龍堂・玲於奈】