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 この世界には、知らない方は良かったと言う事もあるのです。
 これから、私が知る限りのこの島の事を語りましょう。
 この島は「現実」と「霊界」の狭間の世界。そう、帰昔線に近い存在。
 いまから私が語る事が真実かどうかは、あなた次第なのです。

雫
●中ノ鳥島
 中ノ鳥島は第二次世界大戦時に旧日本軍とナチスドイツが、「霊」を兵器とするために、極秘裏に研究所を作った島です。
 島は当然の事ながら最高機密として扱われ、この島の事を知る者はほんのわずかな軍事関係者のみです。
 ここでは「心霊」現象を研究し、その「怨霊」のメカニズムを科学・呪術的に解明し、兵器化する試みが行われました。
 研究のために島の地下に巨大な施設が作られました。島への出入りは海底洞窟からの潜水艦のみで行われ、連合軍もこの島の存在には気づかなかったようです。
 研究は「怨霊<タタリ>」を中心に行われ、この研究のために世界各地から「呪われた物」や、優秀な霊能者がスカウト(拉致)されて島に幽閉されました。
 島では拉致された人間を使い、様々な実験が行われ、その様子は地獄のような物だったと言われています。
 研究は進み「怨霊」を具現化する「怨霊機」と呼ばれる呪術的な機械と、呪術と科学の生んだ兵士「霊鬼兵」を完成させました。
 怨霊機は周囲にただよう霊を集め、その霊を強制的に怨霊にする事が出来、周囲数百キロにわたる空間を霊が具現化出来る特殊な空間にする事を可能とし、霊鬼兵は周囲の怨霊を望んだ形で具現化し、武器として扱う事が出来、なおかつ半永久的な命を持つ最強の戦闘兵器でした。
 しかし、開発がここまで来た段階で戦争が終わり、日本とドイツが敗戦すると、軍の上層部はこの研究が連合軍に知られる事を恐れ、全ての関係者を処分(基地に毒ガスを流し込み殺害)し、「怨霊機」と完成した唯一の「霊鬼兵」に島を守る事を命令し放棄しました。
 今もなお島の中心では怨霊機が稼動しており、島を半ば霊界と化しています。また、霊鬼兵はたった1人、この島を守っています。

●島の住人
 この島に住む住人は島の地下で稼動する「怨霊機」の影響で死んだ事をゆがめられた霊魂です。
 この島は「怨霊機」の影響で「霊界」と「現実」が重なっており、怨霊機が稼動している間は普通の人と何もかわらない姿で生活をしています。
 怨霊機が破壊されると、全ての住人は消滅(成仏?)します。

●死霊兵
 島の各所に出現するオバケは「死霊兵」と呼ばれる存在です。
 島の地下にある研究施設で働いていた研究者が、機密保持で殺害された後に「怨霊機」の効果で「怨霊」化して具現化したものです。基本的な外見は「白衣」「旧日本軍の軍服」「ナチスドイツの軍服」を着ています。
 自分が殺された時の姿を具現化しており、大半は毒ガスで殺されたため外傷はありません。が、瞳は裏返っており、舌がだらりとたれています。全て青白い肌をしており、生きている物に対しては「恨み」しか持っていません。出くわすと必ず襲いかかってきます。
 大半は「怨霊機」からの指示で、島の地下基地を守っています。
 死霊兵を倒す方法は具現化した肉体を破壊するか、怨霊と化した魂を浄化又は消滅させる事です。

●海岸の洞窟
 無数にある洞窟の1つに、地下基地に通じる洞窟があります。この洞窟は迷路となっており、洞窟内に「死霊兵」が多数うごめいています。

●古い洋館
 洋館には地下にある基地への入り口がある。「霊鬼兵・零」がこまめに掃除をしているので、中はさほど汚れていません。地下室から地下の秘密基地へ入る事が出来ますが、地下室には「死霊兵」が蠢いています。

●海底洞窟
 海底洞窟の奥には放棄された潜水艦の港があります。
 かなり広い港で、旧日本軍の潜水艦やドイツ軍のUボートなんかもあります。ここにも「死霊兵」がいます。

●心霊兵器研究所(地下基地)
 基地内はコンクリートで作られた無機質なもので、かなり広く、まるでダンジョンのような感じになっています。
 ここでは無数の死霊兵がさまよっています。
 発動機は生きているらしく、明りはともっています。
 内部には旧日本軍やドイツ軍兵士、研究者達、囚われた人の白骨化した死体が所狭しと落ちています。基地の最も深いところには「怨霊機」が設置されています。
 怨霊機は大型の車のエンジンのような外見をしています。意志も無く、周囲から霊力を吸収する事で、延々と動き続ける事ができます。怨霊機の破壊自体はさほど難しくありません。が、この怨霊機に近づくためには無数の死霊兵を倒し、なおかつ「霊鬼兵・零」を倒さねばなりません。

●謎の少女=霊鬼兵・零
 2次大戦中に日本軍とドイツ軍が共同して開発していた兵器『心霊兵器』のプロトタイプです。
 名称は「初期型霊鬼兵・零」。
 すでに死んだ科学者から受けた「基地を守れ」と言う指令を忠実に守っている。
 その体は複数の優秀な霊能者の肉体をつなぎ合わせて作られており、「超回復」を始め様々な異能力を有しており、さらに呪術的な効果により半永久的な生命を持っています。
 彼女は怨霊を具現化し武器とする事が出来ます。動物霊や人間の怨霊を呼び出して操ったり、斬り殺された侍の怨霊を刀に変えたりする。また鳥科の怨霊を翼に変え空を飛ぶ事もできます。
 エネルギーは霊力でまかなうため、基本的には食事をする必要はありません。
 常に笑顔を浮かべてはいますが、それは本心からでは無く「人に会ったら笑え」と命令されているからです。
 「命令」に束縛されたこの少女を救えるかどうか、それはあなた次第です。


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