調査コードネーム:水底の娘
執筆ライター  :浅葉里樹
関連異界    :太陽と月に叛いて 東京怪談出張所

 【オープニング】
 【 共通ノベル 】
 【 個別ノベル 】


【碇・麗香】illust by つかさ要 【オープニング】
 ごぽり、と温泉の湯が音をたてた。
 のんびりと温泉につかっていた三下忠雄は、その音に気がついてきょろきょろとあたりを見回した。
「どうしたんですか、三下さん」
 ちょうどすぐそばにいた朝野時人が、不思議そうに首を傾げる。どうやら、この少年はまだ異変に気がついていないらしい。
「なんだか寒気がするんです」
 三下は答えた。
「風邪とかだったら、早く上がって寝た方がいいんじゃ」
「そういうのじゃなくって!」
 この寒気は、違う。三下にはそれがよくわかっていた。
 アトラス編集部いちのダメ編集の三下だが、幽霊や妖怪などに遭遇する確率は恐ろしく高い。
 だから、風邪やなにかの寒気と、そういったものに遭遇するときの寒気とでは本質的になにかが違っているのだということがよくわかっていた。……そんなもの、わかりたくはなかったが。
「その……ほら、アレです」
「アレ?」
 まだ時人にはわからないようだ。
 だが、その名を口にしてしまうのも恐ろしくて、三下はぶるぶると首を振った。なんだかいやな予感がするのだ。
「三下さん?」
 そして時人が三下の肩にぽんと手を置いた瞬間、それは起こった。
 今、ここには、三下と時人しかいないはずなのに、誰かが、三下の足を強く引いた。
「ぎゃあああああああああっ!」
 三下の悲鳴が、蓬莱館にこだました。

「……はあ。それで、別に驚かすつもりなかったと」
 気を失ってしまった三下を温泉の中からひっぱりだして、ぱたぱたと手であおいでやりながら、時人は目の前にいる少女に語りかけた。
 少女はうっすらと身体が透けていて、ひと目でこの世のものではないとわかる。
 けれども時人はこういったことには慣れていたから、少女が生きていようといまいとさほど気になりはしなかった。とりあえず、困っているというのなら話を聞くまでだ。
「ええ……。ただ、助けて欲しかったのです」
 少女はうなずくと、ほろりほろりと涙をこぼす。
「大丈夫、きっとみんな協力してくれると思うよ」
 少女を元気づけるように、時人は明るく答えた。少女は顔を上げ、涙を浮かべながら時人を見つめてくる。
「本当に、よろしいのでしょうか。……私の身体を、探して欲しいなどとお願いしてしまっても」
 そんなものどうやったら見つかるのかなど見当もつかなかったが、とりあえず、時人は大きくうなずいた。


【ライターより】
 この調査依頼では依頼人(?)である少女の身体を探していただきます。
 少女の身体はたくさんある温泉や、蓬莱館のそばにある森の中にある泉の中など、水に関係している場所に沈んでいます。
 どのような方法でもかまいませんので、少女の身体を見つけてあげてください。

 この依頼では調査に同行させたいNPCなどがいる場合、公式NPC、執筆ライター所有のNPC、PC登録されていないお客さまのPCに関係の深いNPC、お客さまのPCがお連れになっている使い魔やペットなど、お好みでNPCを同行させることができます。
 NPCとの関係につきましては、お客さまの指定された通りに書かせていただきます。もしも同一NPCを選択されたお客さまがいらした場合、お客さまの指定した関係が同時に成立するものであれば同時に描写し、同時に成立することのありえないものであれば別々に描写するなどのようにさせていただきますのでご了承ください。
 ご友人とお誘いあわせの上でのご参加の場合、このPCと一緒に行動させてほしいなどの希望がございましたら、遠慮なくお書き添えください。
 その場合、プレイングはNPCのものも含めてお書きください。プレイング欄に入りきるのでしたら、何人指定してもかまいません。

 上記のように「NPCを同行させられる」ことと、「執筆期間が短い」ことを考慮に入れた上で、料金を上乗せさせていただいております。ご注意ください。

 執筆者所有のNPCについてや、発注方法の詳細などにつきましては、もしよろしければ下記の異界をご参照ください。
http://omc.terranetz.jp/creators_room/room_view.cgi?ROOMID=0629


【共通ノベル】

 ごぽり、と温泉の湯が音をたてた。
 のんびりと温泉につかっていた三下忠雄は、その音に気がついてきょろきょろとあたりを見回した。
「どうしたんですか、三下さん」
 ちょうどすぐそばにいた朝野時人が、不思議そうに首を傾げる。どうやら、この少年はまだ異変に気がついていないらしい。
「なんだか寒気がするんです」
 三下は答えた。
「風邪とかだったら、早く上がって寝た方がいいんじゃ」
「そういうのじゃなくって!」
 この寒気は、違う。三下にはそれがよくわかっていた。
 アトラス編集部いちのダメ編集の三下だが、幽霊や妖怪などに遭遇する確率は恐ろしく高い。
 だから、風邪やなにかの寒気と、そういったものに遭遇するときの寒気とでは本質的になにかが違っているのだということがよくわかっていた。……そんなもの、わかりたくはなかったが。
「その……ほら、アレです」
「アレ?」
 まだ時人にはわからないようだ。
 だが、その名を口にしてしまうのも恐ろしくて、三下はぶるぶると首を振った。なんだかいやな予感がするのだ。
「三下さん?」
 そして時人が三下の肩にぽんと手を置いた瞬間、それは起こった。
 今、ここには、三下と時人しかいないはずなのに、誰かが、三下の足を強く引いた。
「ぎゃあああああああああっ!」
 三下の悲鳴が、蓬莱館にこだました。

「……はあ。それで、別に驚かすつもりなかったと」
 気を失ってしまった三下を温泉の中からひっぱりだして、ぱたぱたと手であおいでやりながら、時人は目の前にいる少女に語りかけた。
 少女はうっすらと身体が透けていて、ひと目でこの世のものではないとわかる。
 けれども時人はこういったことには慣れていたから、少女が生きていようといまいとさほど気になりはしなかった。とりあえず、困っているというのなら話を聞くまでだ。
「ええ……。ただ、助けて欲しかったのです」
 少女はうなずくと、ほろりほろりと涙をこぼす。
「大丈夫、きっとみんな協力してくれると思うよ」
 少女を元気づけるように、時人は明るく答えた。少女は顔を上げ、涙を浮かべながら時人を見つめてくる。
「本当に、よろしいのでしょうか。……私の身体を、探して欲しいなどとお願いしてしまっても」
 そんなものどうやったら見つかるのかなど見当もつかなかったが、とりあえず、時人は大きくうなずいた。

 一方その頃、榊船亜真知は、嬉璃や恵美たちと露天風呂を満喫していた。
「うむ、露天風呂というのもなかなかに風情があっていいのぅ」
 嬉璃は小さなからだをすっかりくつろげて、ゆったりのんびり、露天風呂を楽しんでいる。
「でも本当に。このあたりって、景色もいいわよね。こんなに広い露天風呂に入るのもはじめてだし……来てよかったなあ」
 恵美も笑顔でそう言った。
「そうですわね。いつでも好きなときに入れるそうですから、またあとで入りにきませんか?」
 亜真知もうっとりとそう誘いをかける。
 やはり、女の子といういきものは、基本的にお風呂好きなのだ。
 温泉に来たら、まず朝起きて入り、出かけて帰ってきてから入り、昼食後に入り、また出かけてそして帰ってきてから入り、夜寝る前にも入り――とまあ、こんな感じがセオリーなのだ。
「それもいいわよね。……あれ、なにか聞こえなかった?」
 亜真知に答えたあとで、恵美が首を傾げる。
「男湯の方が騒がしいようぢゃのう」
 嬉璃が不快げに口にする。
 嬉璃は今でこそこうしておとなしいが、かつては、あやかし荘の男性をことごとく追い出そうとしていたのだ。
 今でもあまり男性は好きではないらしく、時折、こうして厳しい言葉が飛び出す。
「でもにぎやかで楽しそうですわ」
 亜真知はにっこりと答えた。
 すると嬉璃は毒気を抜かれた様子で、大きく息を吐いた。
「でも、にぎやか、っていうよりはもうちょっと違う気もするけど……なにしてるのかしら」
 恵美が不思議そうにつぶやいたが、それに答えるものはなかった。

 露天風呂から上がった亜真知たちは、床でのびている三下と、三下をあおぐ時人、それから身体の半分好けた少女を目にした。
「あらあら……なにかございましたの?」
 亜真知は口もとに手を当てて、軽く首を傾げて訊ねる。
「三下のことぢゃ、おおかたのぼせたんぢゃろうな」
 嬉璃はやはり手厳しい。
「でものぼせたにしてはちょっとヘンかも」
 恵美は三下をじっくり眺めながら言う。
 のぼせたというよりは、ただ気絶しているだけのようにも見えるのだ。
「実は、この方を見たら気絶しちゃって……ほら、三下さん、怖がりだから」
「おお、なるほどのぅ。情けない男ぢゃ」
 嬉璃は三下に近づいていくと、ぐったりしている身体をえいえい、と踏みつける。
 恵美がそんな嬉璃を抱き上げて三下から引き離すと、目で時人をうながした。
「どうやらこの子、自分の身体を探してほしいらしくって」
「まあ……身体を。それは大変ですのね。わたくしもご協力させていただきますわ。身体がなかったら、困りますものね」
 亜真知は胸元に手を当てて、優しい調子で少女に言う。
 すると少女が、ぱっと顔を輝かせた。
「いいんですか?」
「ええ、もちろんですわ。ところで、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「それが……覚えていないのです」
 少女はゆるゆるとかぶりを振る。
「覚えてない、ですか?」
 訊ねながら、亜真知は少女を霊視する。
 霊的に問題のあるような――悪意ある霊である場合も想定して、対策をとっておかなければならない。
 時人や嬉璃はともかくとして、三下や恵美は一般人なのだ。自分の身を守る手段をもたない人間を、危険な霊のそばにいさせるわけにはいかない。
「そうなんです。私……なにも覚えてないんです。ただ覚えているのは、このあたりのどこかに、私の身体があるということだけなんです。水に関係のあるところだと……思うのですけれど」
 少女はうなだれた。
「あまりお気を落とされないでください」
 亜真知はなぐさめるように、少女に言った。
 どうやら、霊的に問題のある存在ではないらしい――ただの迷い霊、というところだろうか。
 亜真知は安堵しながら、そっと少女の肩に触れた。
「でも、私、どうしたらいいのか……」
 少女はいやいやをするように首を振る。
「みんなで手分けして探せば、大丈夫だよ。ねえ?」
 時人がフォローするように口にする。
「そうですわ。これだけたくさんの人がいるのですもの、きっと、すぐに見つかりますわ」
 亜真知は大きくうなずいた。
 それに、亜真知の能力を使えば、霊体から身体まで、逆にたどっていくことは可能だ。
 少しでもつながりがあれば、それをつかむことのできない亜真知ではない。
 もちろん、あまり力を使いすぎればそれがゆがみを生むから、できる限り使わないに越したことはないのだが。
「じゃあ、探すとしたらやっぱり、このあたりの水辺よね。それじゃあ手分けして行きましょうか」
 恵美が元気よく言う。
「ええ。それでは嬉璃ちゃん、行きましょうか」
 亜真知はそっと嬉璃に向かって手を差し出した。
 嬉璃はぎゅっとその手を握ってくる。
「じゃあ、朝野さんは私と一緒に。ええっと……それじゃあ、三下さんのことはよろしくお願いします」
 恵美は少女に向かってぺこりと頭を下げる。
 そうやって、一行は手分けをして少女の身体を探すことになった。

 まず、亜真知と嬉璃がやってきたのは、先ほどの露天風呂だった。
 やはりこのあたりで水に関係する場所といえば、真っ先にここが思い浮かぶ。
「もしもこの中にあのむすめの身体があったらと思うと……ぞっとするのぅ」
 嬉璃がぶるりと身を震わせる。
「ええ、それはたしかにそうですわね。でも……ここにあったら、気づかないはずがございませんわよね」
 亜真知はこくりと首を傾げた。
 やはり、ここは無関係だろうか。
「でも、そういたしますと、他に水に関係のある場所といえばどこがありますかしら」
「そうぢゃのぅ……池、川、湖、沼――このあたりにありそうなのはこのくらいぢゃあないかの」
「そういえば、蓬莱館に来る途中に、たしか沼がありましたわ。次はそちらにまいりましょうか」
 たしか、そこまで行くのには、さほど時間はかからないはずだ。
 亜真知は嬉璃の手を引いて、てくてくと歩いて行くことにした。
 蓬莱館の周辺は、うっそうと木々がおいしげっている。
「なかなかに不気味なところぢゃのう」
 嬉璃が亜真知の手にしがみつくようにして、不安げに言う。
「大丈夫ですわ。わたくしがついておりますもの」
 亜真知は嬉璃を勇気づけるように言った。
 たしかに森の中は不気味ではあるが、それでも、特に悪いものはいないように亜真知には思える。
 ということは多分、この森は単に不気味なだけで、特に害があるわけではないのだろう。
 ただ、あたりには不思議な感覚が満ちている。
 ここが、まるで、他の世界とはどこか違う世界かなにかであるような……。
 そうやって歩いて行くうちに、すぐに沼へはたどりついた。
 他の場所に比べればいくぶん開けてはいるが、それでも、かなり薄暗い。
 水面には藻がしげり、沼の中がどうなっているのかは見渡せない。
「この中に、あのむすめの身体があるのかのぅ」
 嬉璃が水面を見つめてぽつりと言った。
「それは探して見なければわかりませんわ。でも、探すのが大変そうな場所ですわね」
 口にしながら、亜真知は水の中を霊視する。
 あの少女とつながるものがあれば、これですぐにわかるはずだ。
 沼の中にはさまざまな生きものがすんでいるのか、雑多な気配がある。
 だが、生きている気配も死んでいる気配もたくさん沈んでいるために、どれがどれなのかいまいち判別できない。
 今のところ、あの少女の身体らしきものは見つからないが――
「大丈夫かの?」
 嬉璃が心配そうに訊ねてくる。
 どうやら、気づかないうちに、表情が険しくなっていたらしい。
「大丈夫ですわ」
 亜真知はにっこりとそう答えた。
 やがて、そうやって探っているうちに、沼の中からなにか緑色のものが飛び出してくる。
「むむっ!?」
 嬉璃は声を上げて、亜真知のうしろに隠れた。
 沼から飛び出してきたのは、ひとかかえほどもあろうかという、巨大なカエルだった。
「まあ、こんにちは」
 亜真知はカエルに向かって語りかける。
『こんなところになんの用だ』
 カエルは声ではそれに答えずに、亜真知の心に直接語りかけてきた。
 どうやら、相手はただのカエルではないらしい。
「実は、ある女性の身体を探しておりますの。心当たりはございませんでしょうか」
『心当たり……ないこともない』
「まあ、本当ですの?」
『わしはこのあたりのヌシだからな。知らぬことはないぞ』
 カエルは身体をそりかえらせて、のどのあたりをふくらます。
『たしか、向こうの山の中に洞窟があって、その中に女がいたはずだ』
「向こうの山の中の洞窟――ですわね。ありがとうございます」
「なにかわかったのか?」
 カエルは亜真知にだけ語りかけていたらしく、嬉璃は変な顔をしている。
「この方が、親切に心当たりを教えてくださいましたの」
「おお。そうかそうか。助かったぞ」
 嬉璃が、ややえらそうな口調で礼を言う。
 カエルはぐえっとひと声鳴くと、また、沼の中へと飛び込んだ。
「それじゃあ、嬉璃ちゃん、早速そこまで行きましょうか」
 亜真知はそうして、また歩いてその場所へと向かった。

 洞窟、と聞いていたからどれだけ大きいのかと思えば、意外に大きくもないらしい。
 そこは亜真知が想像していたのに比べると、ずいぶんこぢんまりとした洞窟だった。
 中に入るとひんやりと冷たく、ここは外とは隔絶された空間なのだという気がする。
「こんなところに、本当に水に関係するものがあるのかのぅ」
「洞窟の中ですから……水がわいているのかもしれませんわ」
 ぼやく嬉璃をなだめながら、亜真知はあたりを見回して言った。
 だが、洞窟はどこまでもひんやりとしているが、特に水が湧いているような様子はない。
 とりあえずなかは一本道だったので、ゆっくりと歩いて行く。
 奥へ進めば進むほど、冷気は増していく。
「なんぢゃ、ずいぶんと寒いのう」
 嬉璃がつぶやく。
「言われてみればそうですわね」
 たしかに、気温は低い。
 亜真知のこの姿は仮身であるから、多少気温が低いくらいでは気にならないが、いくら洞窟の中だからといって、この寒さは少し異常だ。
 そう思っているうちに、ぱっと開けた場所へとたどりついた。
「あ……」
 亜真知はそこにあるものを見、息を呑んだ。
 そこには、巨大な氷の柱があった。
 その中に、先ほど、身体を探してほしいと言っていた少女が閉じ込められている。
「あれが、あの方の身体ですのね」
「そのようぢゃの」
 亜真知と嬉璃はうなずきあう。
 亜真知は氷柱のそばまで歩いていって、氷に直接手で触れた。
 どうやら、これはただの氷のようだ。
「どうしたらよいかのぅ」
「大丈夫ですわ。これなら、わたくしがなんとかできますから……」
 この程度の氷ならば、亜真知の力でなんとかできる。
 それに身体も見たところ無事のようだから、特に他に損傷がないようなら、蘇生させることも可能かもしれない。
 亜真知は力を行使すべく、別の時空にいる本体へと呼びかけた。

「……ありがとうございます」
 それからしばらくして、元通り身体を取りもどした少女は、亜真知たちに深々と頭を下げていた。
「よかったですわ。記憶が戻らないのは少し大変でしょうけれど……」
「いえ、いいんです。蓬莱館でした働きをさせてもらえることになりましたし、そのうちきっと思い出しますから」
 少女は晴れ晴れとした表情で、亜真知に向かってそう告げる。
「でもよかった、探した甲斐があったわよね」
 恵美が満足げにうなずく。
 時人もそれにならってうなずいた。
 ふたりともずいぶんと疲れている様子だが、その表情は晴れ晴れとしている。
「もしも、また蓬莱館に来ることがあったら、そのときは声をかけてくださいね」
 少女が明るく笑みながら言う。
「ええ、ぜひ。お友達になりましょう」
 亜真知は笑顔で手を差し出した。
 少女はうなずいて、亜真知の手を握り返す。
「……あ、あれ?」
 そのとき、後の方でぐったりしていた三下が、唐突に起き上がった。
 そしてあたりをきょろきょろ見回すと、先ほどまで幽霊だった少女に目を止める。
「ゆ……!」
 三下は悲鳴を上げると、ばたりとまた、倒れこんだ。
「三下さんってば、早とちりなんだから」
 まず最初に、恵美が吹き出す。
 その笑いがどんどん伝染していって、最後には全員が大笑いするのだった。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【1593 / 榊船・亜真知 / 女 / 999 / 超高位次元知的生命体・・・神さま!?】

【個別ノベル】

【1593/榊船・亜真知】