不思議な夢を見ている。今、キミはそう思っているだろう。
それは正しいのかも知れない。でも、少しだけ違う。これは、紛れもない現実だってところがね。
ここに迷い込んだ人は沢山いるから、目が覚めたら聞いてみると良い。きっと、同じ夢を見た人がいるはずさ。夢を共有する‥‥それが、どれだけ不思議な事かは、説明しなくても分かるだろう?
ああ、不安に思う事はないよ。それに警戒しなくても良い。ここは安全だから。
キミは眠りの中でこの学園を訪れ、学園で暮らしてまた現実に帰っていく。いわば、「キミが幻の学園で学生生活を送っている」という、もう一つの人生を歩んでいるのと同じ事なのさ。
だから、キミもむしろ楽しんでみたらどうだろう? ボクも、そうしてもらいたい。
え? ボクが誰かって? ああ、言ってなかったね。
ボクの名前は月詠(つくよみ)。キミよりも少し長くこの学園にいる。これからは、同じ学園の生徒として、仲良くしてもらいたい。
なにせボクは、この学園で精一杯に遊ぶつもりで居るからね。だからキミも‥‥
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