●「学園祭」 オープニング
人気の全くない校舎の屋上で二人の少女がため息を付き合っていた。
二つしかない小さなテーブル数客の椅子と、肉まんと烏龍茶しかメニューのかかれていない看板、それにいくつかの保温ポット、それがこの屋上にある全てであった。
そしてこの屋上にいるのはこの飲茶の企画人の佐伯隆美(さえき・たかみ)と佐伯紗霧(さえき・さぎり)の二人の姉妹だけであった。
「やっぱりこんな場所じゃお客こないよ。
さすがにいくらなんでもこれは無茶だったと思うよ、お姉ちゃん……。」
校舎の屋上から寂しそうに活気がにぎわう校庭を見ながら黒いワンピースに身を包んだ紗霧がため息をつきながら白いワンピースに身を包んだ隆美に話しかける。
「そんな事言ったって、ここくらいしか場所が残ってなかったんだから仕方ないじゃない。」
「それもこれもおねえちゃんがいきなり思いつきで、お店を出そうとか言い出したのが悪いんじゃない。」
「紗霧だって、やろうって言った時はあんなに賛成してくれたじゃない。」
「あの時はこんなに何も考えずにやろうと思っていたなんて思わなかったんだもん。」
「考えてないってなによ、考えて無いとは……、って言われても仕方ないか、この状態じゃ。」
隆美が思いつきでやろうと言い出して勢いで突き進んでしまった為に、周りに対しての下準備も殆どできずに来た為に、手伝ってくれる人間も妹の紗霧だけで最低限の物しか用意できなかった現状を見て苦笑する。
「でもこのままじゃ仕方ないし、そろそろお店を閉める準備をしようか?」
「そうだね、このままじゃ仕方ないし、そうしようか。でも…もう少し人手があったら、よかったのにね。」
「確かにもう少し手伝ってくれる人達がいたらもっと呼び込みできたろうし、場所ももっといい場所を使わせてもらえたかもしれないわね。」
隆美は少し残念そうに話しながら片付けようと立ち上がる。
『思いつきだったけど、こんな形じゃなくて、ちゃんと成功させたかったな…。』
隆美は心の中で自分の甘さを残念そうに後悔する。
「殆ど持ってきた物も残っちゃってるよね、これどうしよう?二人で食べるって言ってもとても処理しきれないよ?」
「うーん、どうしようか?残る事は考えてなかったからなぁ。」
保温ジャーを覗き込んでポットから自分が飲む用のお茶を紙コップに注いだ紗霧が椅子に腰掛けて困ったように話しかける。
丁度その時であった、屋上へ上がってくる階段から人の姿を現したのは……。
To Be Continued...
●ライターより
屋上にある佐伯隆美、紗霧の姉妹の企画した人気の無い飲茶店にお客として遊びに来てください。
オープニングにもある通りお客がこないので、片付けようとしていますが、もし協力してお客を呼び込むのに協力しても普通にお客としてきても構いません。
基本的にほのぼのなシナリオになると思います。
飲茶にあるのは、ポットに入った暖かい烏龍茶と保温ジャーに入った肉まんしかありませんのでお客さんとしてくる方はご注意を。
このシナリオに参加するスタンスとしては『協力してなんとか盛り上げる』『普通にお客として遊びに来る』『その他』が基本になると思います。
でて来るNPC二人のクラスは以下の通りです。
佐伯隆美(3−A)
佐伯紗霧(1−C)
それでは飲茶店文月楼にてプレイングをお待ちしています。
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